原料処理技術

原料処理技術

醗酵の環境を整える、原料処理技術

醸造工程では、米、麦、大豆などの穀物原料を製麹や醗酵に適するように前処理する必要があります。米や麦のデンプン、大豆のタンパク質を麹菌の酵素で糖やアミノ酸に分解し易くするために浸漬(加水)・蒸煮してα化や変性し、殺菌する一連の工程を原料処理といいます。また醤油製造では生小麦を熱風で焙炒しデンプンをα化します。
原料処理には、精選、洗穀(洗米)、浸漬(加水)、蒸煮、焙炒、冷却、輸送などの工程があり、それらを構成する機械装置は、生産性や機能性だけでなく、サニタリー性、安全性、高度な制御、使い易さ、省エネ、省力化などなど、フジワラテクノアートの長年の経験と革新による技術で成り立っています。
フジワラテクノアートは、多彩な原料処理技術を有しており、お客様のご要望に応じた最適かつトータルなご提案をいたします。

Pick up project
吟醸蔵商品群ブランドの誕生
吟醸蔵

洗穀・浸漬技術

 米、麦、大豆といった原料に合わせて、洗穀・洗浄・浸漬のための機器を多彩にラインナップ。回転式自動洗米浸漬装置や吸引ネット式洗米水分離機、サナ板付浸漬タンクなど、独自の特化技術を駆使した機械を製造しています。

 培養を行う上でその栄養源となる穀物原料を微生物が利用しやすい状態にするため、デンプンやタンパク質の変性を目的に熱処理します。併せてその穀物原料の殺菌も行うため、安全性、サニタリー性に優れた機械装置を開発しています。

 こうした原料処理を行う機械装置にはさまざまな形態のものがあり、使用する原料によっても異なります。また、洗穀(洗米)、浸漬(吸水)、蒸煮、冷却、原料輸送についても多彩な湿式処理技術を有しており、原料処理工程の高度な省人化をトータルに提案できます。
吟醸酒向け「回転式自動洗米浸漬装置」
白米の計量、洗米、リンス、浸漬吸水、白米表面付着水の強制脱水、吸水率自動計測、浸漬米の払出しまで行い、同時に白米の吸水歩合を一定に保つことができる画期的な装置です。

[ 受賞 ]
H8.10.発明協会より「発明奨励賞」(サナ板付浸漬タンク)
H18.11.食品産業新聞社より「第36回食品産業技術功労賞」(回転式自動洗米浸漬装置)

蒸煮技術

 白米を均等に蒸し処理する無圧蒸煮、大豆などの原料を高圧短時間で処理する加圧蒸煮の2方向から技術を追求。半世紀以上もロングヒットを続ける加圧蒸煮装置(NK缶)をはじめ、スチールベルト式横型連続蒸米機や連続加圧蒸煮装置などがあります。
連続加圧蒸煮装置
原料歩溜りの向上と製品コストの引き下げ及び合理化に大きく貢献します。ロータリーバルブは模型タイプと堅型タイプがあり、特に堅型タイプは丸大豆処理における排出用ロータリーバルブとして高い評価を得ています。

[ 受賞 ]
S49.11.食品産業新聞社より「第4回食品産業技術功労賞」(FM式連続蒸煮装置)
S50.3.機械振興協会より「第5回中小企業向け自動化機械開発賞」(連続蒸煮装置)
H9.10.発明協会より「発明奨励賞」(スチールベルト式連続蒸煮装置)
H21.12.食品産業新聞社より「第39回食品産業技術功労賞」(醤油製造用連続蒸煮システム)
冷却技術

冷却技術

 最も普及しているネット式連続冷却機のほか、雑菌を寄せ付けず衛生面に優れたスチールベルト式連続冷却機、上方への送風により抜群の冷却効率を実現したアップワードフロー方式連続冷却装置など、用途に応じた冷却方法を選択できます。
アップワードフロー方式連続冷却装置
従来タイプの下方への送風方法では、原料が風圧で圧縮され、ベルトの目詰まりの原因になるなど、通風の阻害要因がありました。「アップワードフロー方式連続冷却装置」は、送風方向を下方から上方(アップワードフロー方式)に改め冷却効率の大幅な向上を実現。外気導入フィルターを通した清浄な空気を送風すること によりサニタリー性も向上しています。

[ 受賞 ]
H14.12.食品産業新聞社より「第32回食品産業技術功労賞」(アップワード方式連続冷却装置)

焙炒技術

ロータリー流動焙炒装置RXシリーズ
穀物原料の下から熱風を吹き込むことにより、穀物を浮き上がらせて流動化。原料は攪拌されながら熱風により急速に加熱され、効率よく省エネルギーかつ衛生的に焙炒されます。コゲ、蛋白質の過変性を起こさず、かつ十分なα化度(糊化度)を達成します。

[ 受賞 ]
H5.1.食品産業新聞社より「第22回食品産業技術功労賞」(ロータリー流動焙炒装置)

原料輸送技術

 吸引式空気輸送と圧送式空気輸送という空気輸送技術に加え、省エネ、省スペースで騒音が少ない水輸送技術についてもすでに製品化。工場の環境・生産性に合わせたベストな原料輸送方式を提示します。
仕込水輸送装置
省エネと省スペースの原料輸送を実現しました。空気輸送やベルトコンベア輸送に比べ、大掛かりな装置にならず、埃や騒音を最小限に抑えることができます。洗浄性が高く、最近、急速に普及しています。