
Interview
Interview
フルオーダーメイドの機械や設備を手掛けるフジワラテクノアート。営業職から技術職まで、いずれの職種にも幅広い知識と未知の経験への挑戦心、部署の垣根を越えて自発的に動く力が求められる。部下のチャレンジを促しながら成長を見守る4人のグループ長が、部下との向き合い方や育成について語り合いました。
裁量が大きく、幅が広い「自己の成長を感じやすい」仕事
サトウ「技術営業部の仕事の醍醐味は、一人の営業担当者が提案から受注、最後売掛金を回収するところまでプロジェクトマネージャーとして担えるところです。他部署や上司の協力を仰ぎながらも、一貫して営業が窓口となり、大きなやりがいを感じられます。担当者の裁量が大きく、お客様が大手企業だろうと中小企業だろうと、担当エリアであれば様々な設備提案や進め方を自ら考えながら活動できます。自分の力を大いに発揮できる仕事だと思います。」
ムロイ「一般的に調達が担う業務は、仕入先から購入品の発注、受け入れ、場合によって価格交渉、納期調整するという内容でしょう。しかしフジワラテクノアートの調達グループの業務は、まず手配範囲が非常に広く、購入品もあれば製作品(加工品)もあり、断熱、配管施工、重量物据付、メンテナンス工事、電気工事等多岐にわたります。
加工品は「フジワラテクノアートの機械」に求められる性能と品質を備えたものを調達しなくてはならないので、機械そのものの知識に加え、溶接、加工、仕上組立、表面仕上げに関する知識も必要になります。生産管理や製作指導など技術的な打ち合わせもありますし、検査、出荷、輸出入、倉庫管理、梱包もカバーします。さらには、低価格で購入できる時期や協力業者のスケジュールを踏まえて出図の時期を管理することも。全体を俯瞰して案件をコントロールできるやりがいがありますね。」

このため広い視野でポイントを押さえた設計が求められます。例えば必要な知識としては、機械工学の各種力学や制御を中心に、機械加工、製缶といった製造知識、さらには空調、醸造工学、微生物学等々、非常に多岐に及びます。自分の知識をどんどん広げながら設計出来ますので、自己成長も感じられやすくやりがいがあります。」
モリヤス「溶接加工グループは、二次元の図面だったものが形を成していく工程を担います。溶接によってモノを生み出す楽しさ、加工の精度を上げて価値を高めていく魅力がありますね。
品質の悪いものができると自分の力量の無さに落ち込みますが、思い通りの時間で思い通りに綺麗なものができるとやっぱり嬉しいし、楽しい。うまくいかないときって、時間もかかるし汚いものができるんです。仕事では効率と品質がわりと比例するから不思議です。」
上司も部下も「ありがとう」。自分の経験や方法を押し付けない

モリヤス「溶接加工グループは、私を含め21人。会社の中でもメンバーが多いのですが、私は毎日全員と話すよう心がけています。「調子どう?」「絶好調?」と一言かけるだけのこともありますし、テンションが下がっているメンバーがいたら「元気ないな。最近どんな?」と聞くこともあります。趣味を知っているメンバーには「最近釣り行ってるの?」とか、とにかく毎日、全員とコミュニケーションをとるようにしています。
うちのグループには仕事を受け取るときに「ありがとうございます」と言う習慣があって、私も報告を受けるときには「ありがとう」と返します。
例えば急ぎの割り込み仕事が入ってきたとき、「悪いけどこれ、急ぎで頼める?」と仕事を渡すと、メンバーが「ありがとうございます」と言って受け取ってくれます。どのようにしてこの流れができたのかは分からないのですが、いつからかメンバーと私のやりとりに「ありがとう」が交わされるようになりましたね。」
サトウ「営業は担当者がそれぞれ別々のエリアを持って動きますが、社内では席が近いので、「あの案件、ちょっと大変そうだったけどどうだった?」など、個々が不安なく進められているかできるだけ声かけするようにしています。メンバーからも「これの進め方、ちょっと困ってるんです」と相談されることもありますし。メンバーと話すときは、自分の経験や手法を部下に押し付けないよう意識しています。考えるプロセスも大事なので、なるべく本人に考えてもらいたい。そのほうが成長につながりますし、物事の進め方もよく理解できます。
とりわけ営業は、お客様へのアプローチや営業スタイルが人によって違うので、私のやり方が全てだとは思いません。だから一般的なことは正しく説明しますけど、基本的には本人のやり方を尊重しています。もっとも、間違った対応をしてしまうと被害が大きくなりそうな案件では、自分の経験に基づいてサポートなりアドバイスなりするようにしています。」
とはいえ、忙しいときに納期難の案件をすっと渡して、微妙な空気になるときもありますけど(笑)表情を見ていると大体分かります。「あ、今ちょっと余裕ないな」とか「前向きでいい感じだな」とか。なるべくお互いがいい関係性で仕事に取り組める方がいいですからね。」
モリヤス「人を育てるのって手間がかかるし、もどかしくて苛立ちそうになることもありますね。でもなんだかんだ変化が見えてきて、それで自分も心揺さぶられたりするから楽しい。」
ムロイ「調達の仕事を始めたときって、案件も多いし範囲も広すぎるから、最初全然覚えられないんですよ。周りから何か尋ねられても何について聞かれてるのかさっぱり分からないんですけど、なぜか突然分かり出すときがあって。頭の中が変わってくる時期がある。その変化が見えたら、「次行くか!」とハードルを上げます。」
「部署の垣根を越えた連携を惜しまない」協力しやすい環境
ムロイ「自分がポジティブだからっていうのもあるかもしれませんが、部下に相談されたらもう常に「いける」って言ってます(笑)そこまではっきり言わなくても、「向いてると思いますよ」くらいは伝えます。実際、苦手な仕事を振りつづけてもあまり変わらないことのほうが多いので、適性を見出してそこを伸ばすほうに注力したい。せっかくなら、活躍できることをしてもらったほうがいいので。」
サトウ「その点、営業は担当がエリアごとに決まっているから、力量を見極めて仕事を振り分けるチャンスがないんですよね。グループ長としていつも心がけているのは、「早めに誰々を集めて会議して、協力体制を整えて、少しでも身軽に進められるようにしなさい」とアドバイスすることです。また、技術営業部のグループ内の複数人で情報共有し、フォローし合う体制をとっており、周囲のフォローを得ながら未経験の案件にもチャレンジすることができます。
加えて当社は、部署間の垣根を超えた連携を惜しまない会社です。営業担当者が新人なら、知見の豊富な人に早い段階から情報共有したりブレーンとして加わってもらったり。大きな案件でトラブルが生じたときは、どのみち営業担当者だけでは対応不可能です。それは皆がよく分かっていることなので、万が一トラブルになってもうまく連携をとりながら乗り越えられます。そこはみんな優しくて、協力しやすい環境だと思いますね。」

設計でいうと、フルオーダーメイドである以上、一人で多くの枚数の図面を出図することになりますから各図面「絶対に間違いがない」レベルまで緻密に検図してから出図する、といった時間は基本的にはありませんから、一定程度ミスが発生することは避けられません。自分だって完璧にはできないですし。設計は上流工程なので、ミスがあると下流工程に関わる部署に迷惑をかける訳ですから当然無いに越したことはありませんが、一方で出図納期とのバランスも見ながら進めなくてはなりません。
とはいえやはり頻度が重要でミスが重なるときは当然改善を促します。でもどんな失敗でも、基本的に責めることはしません。やってしまったことを後から咎めても余計に落ち込んで萎縮してしまうだけですし、双方にデメリットしかない。今後に生かすことがとにかく大切なので、なるべく励ます方向で声かけしています。」

モリヤス「自分の若かった頃と比べたら、今の若い人たちはすごいと思うよ。今の人たちは真面目だもの。」
ムロイ「30歳以下の人たちは特に、素晴らしい人間性を持った能力の高い人が多い印象です。」
モリヤス「会社全体としても、誠実ではあるよね。」
サトウ「お客様に助けられているところもあると思います。歴史と品格あるお客様が多くいらっしゃるので、お付き合いさせていただいているうちに私たちの人間性も良くなっていく部分があるんじゃないかな。」
「やらされてる」ではなく「やりたい」を大事に。自律的な成長を応援
サトウ「確かに。まず自分で考えて、周りの人や他の部署と積極的にコミュニケーションをとりながら解決の方法を探れることが大事ですね。コミュニケーションを積極的に取れない人は、難しいかもしれない。他の部署にも遠慮なく聞きに行けたり、担当者同士で自発的に連携を取れるような人でないと、案件を前に進められませんし、その人の成長もおぼつかないと思います。」
オオガ「グループ長同士も連携しますけど、担当者同士のやりとりも多いですね。担当者が自発的に工場に足を運んだり他部署と連携したりすることを、私たちグループ長も期待しています。担当者同士のほうがスムーズですし、本人の経験値も上がりますから。」
最後に、読者の方々にメッセージをお願いします。
サトウ「国内の醸造業界は、お酒を飲む人や味噌汁を日常的に食べる人が減り、醤油の使用量も減っていて、残念ながら厳しい業界と言われています。一方で、世界では右肩上がりの明るい兆しが見えています。また、醸造業界向けに我々が培ってきた固体培養技術は、今後さらに大きな可能性を秘めた技術です。こうした状況下で、国内外の醸造・食品業界を盛り上げていけるようなポジティブな考えを持った人、広い視野と人間性を持った人に、営業としてはぜひ入っていただきたいと思います。」
ムロイ「職場における人間関係は、離職や転職の大きな理由のひとつだと思います。この点、フジワラテクノアートには、社内を見渡してもハラスメントをするような人や悪質な人が全くと言っていいほど居ません。もちろん、いろんな個性の人が集まっていますけど、どこかみんな可愛げがある(笑)風通しが良く、人間関係の悩みを抱えにくい会社だと思います。」
オオガ「私がキャリア採用で当社に入社した理由は、地元岡山で設計の仕事が出来て転勤がないことでした。仕事の幅の広さやフルオーダーメイドの設計ができる面白さもさることながら、おかげで安心して仕事に打ち込めています。フジワラテクノアートには、地に足をつけて技術者として幅広く成長できる環境があります。岡山の地で是非一緒に成長していきましょう!」